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佐伯 正克; 平林 孝圀
Radiochimica Acta, 38, p.37 - 41, 1985/00
ホウケイ酸ガラス及び石英ガラス上へのトリチウムの吸着に及ぼす電離放射線の効果を調べた。6.65~13.3kPaのトリチウムガス(HT又はDT)雰囲気下に試料を置き、Coの線を2.910~1.110Gy照射した。トリチウム吸着量はトリチウムガスの圧力(P)及び吸着線量(R)の積の平方根(√R・P)に対して直線的に増加した。吸着量の増加は表面のみで認められ、内部の吸着量は変化しなかった。しかし、内部に吸着したトリチウムの脱離化学形は、線照射を行わなかった場合と全く異なり、全てのトリチウムが化学吸着に変換されたことを示した。さらに、線照射を行わない場合、吸着量はトリチウムガスの比放射能とともに増加した。これらの結果から、トリチウムの化学吸着は電離放射線(及び線)により生ずる比較的長寿命の欠陥と分子状トリチウム(HT又はDT)が反応することにより起こると結論した。
佐伯 正克; 平林 孝圀
Radiochimica Acta, 35, p.233 - 238, 1984/00
ホウケイ酸ガラス表面へのトリチウムの吸着機構を、吸着させるトリチウムガスと脱離してくるトリチウムガスの同位体組成変化を追跡することにより調べた。分子状とリチウム(HT,DT及びT)の吸着は物理吸着と化学吸着の2様式で起る。化学吸着の機構は2つの化学反応により説明し得た。すなわち、表面に存在する水酸基の軽水素とトリチウム原子の交換反応と、SiO結合のSiT及びSiOT基への部分的還元反応である。これらの過程にはトリチウム自身の線が影響しており、トリチウムの吸着を促進している。物理吸着成分はガラス内部まで深く侵入する。分子状トリチウムノ一部はその分子状態を保ったまま、ガラスを透過すると考えられる。
B.C.Sales*; L.A.Boatner*; 楢本 洋; C.W.White*
Journal of Non-Crystalline Solids, 53, p.201 - 226, 1982/00
被引用回数:17 パーセンタイル:77.39(Materials Science, Ceramics)イオン・ビーム解析法(ラザフォード後方散乱法)及び各種の溶液解析法(原子吸光法、放射化分析法)を併用してU、Sr、Nd、Gd、等を含んだ硼珪酸ガラスの水溶液に対する浸出挙動を調べた。その結果、ガラスの水に対する浸出挙動には、(1)ガラス表面でのU、Sr、Gd、Nd、Ti等の金属元素と水溶液中のOH、COイオン等との化合物形成によりもたらされる緩漫な溶解と、(2)それに引つづいておこるPHの増加(ガラス中の軽元素の浸出による)が引き起こす急速なガラス溶解、の二つの異なった腐食過程が存在する事が明らかになった。これらの実験事実をふまえ、ガラスの腐食過程を律速する金属化合物層の応力変化及び化学的環境変化に対する安定性を議論した。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 小林 博美*; 畠山 清司*; 塩飽 秀啓
no journal, ,
イメージングXAFS分析の拡張版である、異種元素間の化学的な相関解析の技術開発を進め、様々な物質への適用を図った。これは、通常のイメージングXAFS測定を、複数の元素に同時に適用することで、それらの元素の分布の特徴にあわせて、XAFSスペクトルを空間選択的に抽出する新しい分析法である。これまでに、土壌中の鉄とセシウム、吸着材中のチタンとストロンチウム、ガラス固化試料中のルテニウムとロジウムなどにおいて、相関関係の導出に成功している。本研究では、この手法をより実用レベルに拡張すべく、様々な条件下で調製された模擬廃液成分を含むホウケイ酸ガラス試料を対象に試験を行い、ガラス中の白金族元素間の相関関係の導出を試みた。